« 世界の歴史を少し正確に理解する 宦官 | トップページ | 世界の歴史を少し正確に理解する 個人的に一番好きな歴史上の人物 韓信 »

2015年10月11日 (日)

世界の歴史を少し正確に理解する 項羽と劉邦

Atc0385

司馬遼太郎先生の小説「項羽と劉邦」は私が好きな小説の5本指に入ります。特に韓信が好きなのですが、韓信の話は次回です。ここでは弱小将軍劉邦が漢の高祖となれた不思議を探ります。劉邦は弱い、戦争に負けた記憶しかありません。ただし諸葛孔明にも並ぶ軍師張良や優れた部下が彼の周りを固めます。そして韓信がいたから項羽に勝てたのです。すごいのは中国の歴史に残る逸材が田舎者のダメ男、劉邦の周りに集まった事です。わかりやすく例えれば劉邦は任侠道の出来の悪い親分でした。ただ人の話をよく聞き、信じます。優秀な人材は提案を聞いてくれる人、自分を信じてくれる人を好きになります。

 

Atc0384

さて劉邦はどのようにして大国、秦を破ったのか。いえ、秦の自滅です。劉邦は単に洛陽に一番乗りしただけです。劉邦は秦の城の財宝と女に目がくらんだのですが、張良が戒めます。この張良の戒めが無ければ漢はなかったでしょう。劉邦が偉いのは誘惑に負けず部下の進言を聞いたことです。人民と部下の信頼も大きく上がります。その後、項羽が秦の城に到着します。項羽の部下は劉邦を殺すように勧めますが、項羽としては劉邦が大人物とは思えず逃亡を許します。危機一髪で「鴻門之会」と言われています。項羽はジェノサイド好きと感じられるほどに皆殺しと略奪を好み、劉邦が手を付けなかった秦の首都を徹底的に破壊し尽くします。項羽は敗戦するまでに何十万、何百万もの人を生き埋めにするのですが、そんな穴を掘るのは大変ですよね。方法は簡単、自分で掘らすのです。当然、住民からの信頼はありません。

 

Atc0382

劉邦はとにかく戦争に弱く、すぐに逃げるので、張良は劉邦の威厳維持が最重要課題だったのではないでしょうか。最後は結局、韓信が助けてくれました。関羽が垓下の戦いで項羽を倒します。四面楚歌とは項羽の祖国である楚国の歌が漢の軍隊から聞こえたことで「ついに楚も漢に協力した」と理解し(もしくは誤解し)戦意を喪失、敗戦につながったそうです。項羽は残酷ですが部下には誠実でしたし、とにかく戦争に強い、軍事力で言えば韓信と項羽が双璧だったと感じます。それなのに酔っぱらいの劉邦が大国「漢」をつくるのですから歴史は面白いですね。

 

Atc0386

なお項羽の愛人は虞美人、劉邦の妻の呂后は世界三大悪女の一人でとても怖い人です。他にも赤兎馬など、日本のゲームやアニメ業界にも出てくるような有名人が並んでいます。機会があればぜひ小説「項羽と劉邦」に手を伸ばしてみてください。

 

Atc0387

« 世界の歴史を少し正確に理解する 宦官 | トップページ | 世界の歴史を少し正確に理解する 個人的に一番好きな歴史上の人物 韓信 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

フォト
無料ブログはココログ