« 世界の歴史を少し正確に理解する ピラミッドはすごいのか | トップページ | 世界の歴史を少し正確に理解する アメンホテプによる宗教改革 »

2015年9月 2日 (水)

世界の歴史を少し正確に理解する アブ・シンベル神殿と王家の谷

Krs0055

アブ・シンベル神殿はスーダンに近いナイル河の上流にあり、ラムセス2世が妻のために作りました。この神殿は1960年代にアスワン・ハイダムを作ると水没するため、60m高台に移動されたことで有名です。建物の角度はとても重要で、特定の日、1年に二日だけ太陽光が奥の間に差し込むよう設計されていました。その日はラムセス2世の誕生日だったのですが、移動したせいで少し日付がずれたそうです。それでも今でも一年に2日だけ太陽光が奥まで差し込み4体中闇の王の像を除く3体に明かりがさす演出は、いろんなテレビ番組で取り上げられているためご存知の方が多いと考えています。ラムセス2世が信仰した太陽神ラーはハヤブサの頭を持つ姿で描かれることが多いのですがアブ・シンベル神殿では人間の顔をしています。エジプトの神はいろんな顔を持ちますからね。

 

Krs0056

ラムセス2世は紀元前1300年から1200年頃のファラオ(神かつ王)です。ミイラがあるので詳細がわかっており身長183cmの巨漢、年齢は90歳くらいと長生きであったことが伝説ではなく事実とわかっています。ヒッタイト、つまり現在のトルコと戦争(カデシュの戦い)をして勝利した武勇伝を持ちます。トルコまでは支配できなかったようですがカナンの地は征服しています。「出エジプト記」でモーゼがユダヤ人を解放するよう要求した王がラムセス2世である可能性があります。ラムセス2世は建設好きで、エジプトに住むユダヤ人に厳しい労働を強いたと考えられ旧約聖書の記述と一致します。たとえラムセス2世でなかったとしても近い時代に「出エジプト」のイベントが起きた事は間違いなさそうです。

 

Krs0058

アブ・シンベル神殿と並んで有名なのはエジプト・テーベにある王家の谷です。今でも発掘が続く王家の墓地で2014年にも大規模な集合墓場が見つかり日本でもニュースになりました。王家の谷で最も有名なのは未盗掘で発掘されたツタンカーメンの墓です。そのマスクは世界最高の宝と言われ値段がつかない価値だそうです。エジプトの宝は多くがイギリスやフランスに持ち出されました。イギリスの植民地ですからね、「盗まれた」という人さえいるでしょう。ロゼッタストーンは大英博物館の入り口近くにあり最も有名な展示物の一つですから、エジプトに帰れそうにはありません。まあエジプトは治安面で不安がありますし彼らは古代エジプト人ではなくアラビア人ですから宝を返してもらうよりイギリスやフランスがエジプトに賃貸料を払う解決策がよさそうに思えます。ちなみにロゼッタストーンについて、以前一つ記述が間違えていました。「3種類のエジプト文字」と書きましたが2種類のエジプト文字とギリシャ文字だったようです。シャンポリオンはギリシャ文字から他のエジプト文字も同じ意味だと想定して解読を進めたそうです。

 

Krs0059

植民地時代が去ってからツタンカーメンの墓が見つかってよかったですね。現代のエジプトはイスラム国家、過激派イスラム教徒により破壊されない事だけを期待します。

 

Krs0057

« 世界の歴史を少し正確に理解する ピラミッドはすごいのか | トップページ | 世界の歴史を少し正確に理解する アメンホテプによる宗教改革 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

フォト
無料ブログはココログ