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2015年9月29日 (火)

世界の歴史を少し正確に理解する 旧約聖書は歴史書なのか

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メソポタミア、エジプト、アッシリアなど周辺の巨大国が歴史を残しているので、旧約聖書に多くの史実が含まれている事もわかります。戦争の勝ち負け、出エジプトやバビロン捕囚などは史実ですしダビデ、ソロモンなども実在したのでしょう。旧約聖書の特徴は戦争の勝ち負けや民族移動などにヤハウェの審判が入っているという解釈が付け加えられている事です。キリスト教はキリスト生誕からその後の比較的短い期間を扱いますから歴史書と言いづらいのですが、旧約聖書は2000年近い歴史を誇ります。「死海文書」を見る限り、旧約聖書はバビロン捕囚から解放されて整備された「ユダヤ教」やシナゴーグが現在の形で成立する前から書かれ蓄積されている事がわかっています。

 

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ユダヤの神は残酷ですが、これはヤハウェに日本語で「神」という言葉を与えたことによる誤解と考えています。正確に言えばヤハウェ(ゴッド、アラー)に該当する日本語は無く、神が残酷なのではないのです。ヤハウェはユダヤ人の運命を握る創造主であり主権者です。人の生死を自由に操ります。「神」と言えば、どうしても日本の神、もしくは天皇家を連想してしまいますが、日本の神は中国の神と同じく、実在の人物であるか人間の粋を大きくは超えません。天照大御神はともかく、菅原道真に至っては明らかに歴史上の人物です。道真の「崇」は痛烈でしたが一時的です。ヤハウェは何千年にもわたり、そして現在もユダヤの人々を助け、苦しめ、状況によっては殺している日本には比較対象の無い超越した存在、頂点です。日本では何か悪い事が起これば、「違う神社に行ってみよう」となるかもしれませんが、ヤハウェに代わる存在はいません。信心を高めるしか方法は無いのです。旧約聖書や十戒は強い精神的な戒律であり、憲法であり、ユダヤの人たちが助けを求める存在ではありません。日本人が神社で祈るように助けを求めてもかないませんし求めてもいけません。信心を高める事で、ヤハウェがユダヤの人民を助けるのです。(キリストも願いはかなえませんが許してくれます、つまり許しを請う事ができるという面で大きく違うのです)。ユダヤ教の人たち、またキリスト教やイスラム教の人たちは「神の名のもとに」戦争を起こします。日本も尊王思想の下で恐怖の戦争を起こしましたが西洋の真似ごとにすぎず、ユダヤ教には何千年もの歴史があり不変です。つまり旧約聖書を理解するうえでの最初の一歩は「ヤハウェは日本語で言う神ではない」と念頭に置くことです。ハリーポッターのボルデモートは「名前を呼んではいけない存在」でした。これは明らかに旧約聖書の真似ですが、考えてみればユダヤ教徒にとってヤハウェはボルデモート以上に恐怖の存在なのでしょう。

 

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ユダヤ人の葛藤はなぜ人間が生まれたのか、なぜ気候の厳しいカナンの地に暮らさなければいけないのか、なぜ戦争に勝ち、なぜ侵略されるのか、なぜ敵を殺さなければいけないのか、それらをたった一つの根本理由であるヤハウェの存在で説明しているのです。旧約聖書には明らかに多くの著者がいますが、根本原因が定まっているのでどれだけ多くの作者がいても強い一貫性があります。書き上げてきたのは預言者、神と会話できる職業の人たちだったのでしょう、だから後世の人たちは旧約聖書に書いてあることが否定できず、常に自分たちの歴史を書き事しかできなかったのでしょう。ユダヤの人たちは何度もユダヤ教を軽視して罰を受けたと旧約聖書に書いてあります。しかし個人的にユダヤの人たちは昔から十分に信心深く、単に何か不可解なことが起これば「神を十分に信じていないからだ、もっと信じなければいけないのだ」と理由を付けただけでしょう。言葉を変えれば世界の歴史書の中でも数が少ない正確な歴史を含んだ歴史書だと考えています。

 

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ただ私が思うのは、イスラエルに生まれなくてよかった。この厳しい戒律を一生守り通す自信が私にはありません。最後に一言だけ、旧約聖書は人が書いた文書です。ヤハウェも誰か古代人の想像なのです。さて旧約聖書に出てきた、アッシリア、新バビロニア、ペルシァ、アレクサンダー大王について確認しておきましょう。

 

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