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2015年5月10日 (日)

日本の歴史を少し正確に理解する 船中八策

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戦中八策は憲法の草案と誤解していましたが、これも坂本龍馬人気の影響です。私はすぐに過大評価してしまいます。坂本龍馬、船中八策の大きな功績は「大政奉還論」です。幕府が天皇家から委任されていた内政に関するリーダー権、征夷大将軍を返却し、天皇家を筆頭に日本国をつくって、外国勢と対等に渡り合おうというアイディアです。この大政奉還論が船中八策に書かれています。坂本龍馬が長崎から土佐に戻る途中の船の中で海援隊の長岡に書かせたと言われます。

 

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一策目は大政奉還、二策目が上下両院による議会政治です。他にも身分にとらわれない人材登用、海外との不平等条約の改定、憲法制定、官軍(大日本帝国軍)の増強、天皇を守る軍隊の制定(徴兵制)、為替レートの変更です。おもしろいのは最後の為替レートですね、具体的には金銀の交換レートで、商社である海援隊が海外との商取引で我慢できないほどに不条理に感じていたのでしょう。坂本龍馬の愚痴とも感じられます。議会政治や憲法の制定は海外の仕組みを見て民主主義を取り入れようとしており、人材登用の件を見ても天皇の下での平等である尊王論をベースにしています。また軍国主義も奨励しています。

 

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船中八策に刺激を受けて大政奉還を幕府に進言したのは土佐藩の後藤象二郎です。船中八策や大政奉還論が坂本龍馬の無謀な空想ではなく、多くの人が納得できる時代背景が整っていたのでしょう。幕藩体制ではだめだ、すべての藩が共同し行動する日本国が必要だ、それが船中八策の主張であり多くの人が望んでいた変化でした。海外と戦うために国内が争っている場合ではなく、団結して各藩の代表が多数決により決定する議会制度が必要だ、そのためには全員が守るルールとして憲法を進言しているのです(憲法記念日に書いているので強調しております)。

 

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船中八策の素晴らしい所は文章が平易なところです。坂本龍馬の才能は端的にまとめるビジネス文章だったのではないでしょうか。日本の法律も彼の文章を見習って誰にでもわかる簡潔な文章にしてほしいですね。そうすれば憲法の解釈論で何十年も議論しなくて済むのに。

 

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