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2014年5月19日 (月)

生存者ゼロ 安生正

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2012年「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。この賞はあまりメジャーではないのですが、「四日間の奇跡」や「チームバチスタの栄光」など人気作品も受賞しています。
「生存者ゼロ」はいわゆるパンデミックを扱った作品で、アイディアは奇抜です。人類が本当に絶滅するのかどうか、それはネタバレになりますから書くことができません。一方で文章はあまり読者の事を考えていません。正直、読みづらいのですがそれでも読み進めてしまうのは今までにないパンデミックの形を題材にしたアイディアの効果でしょう。多分、文系の人にはつらい話かな?かなり理系向けです。
Ngt0059 パンデミックは最初、北海道沖の原油プラットフォームで発生します。その後北海道の小さな村に飛び火して北海道に広がって行きます。プラットフォームの従業員が救出の依頼連絡さえもできず「生存者ゼロ」になったところから事件が始まるのです。救出を求める事さえできないほどの急性症状、目を覆いたくなるほどのひどい組織の破壊、そしてなぜ海洋上の孤島であるプラットフォームで発生したのか。その驚く原因は何人かの「ゆがんだ」ヒーロー、ヒロインたちにより解き明かされていくのです。
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原因のわからないパンデミックに襲われたときの人間模様を描く作品は少なくありません。この小説も長々と人間の心の動きを描いていますが、そこに目新しさはありません。ただパンデミックの原因にはうならされました。現実的ではない話かもしれませんが、このようなタイプのパンデミックはあり得ます。ドラキュラ物語、今でも無くならない狂犬病の問題、「こんなパンデミックもあり得るよ」という、日本のパンデミック対策の弱点を突いたテーマでもあります。パンデミックでは大量の人が亡くなりますが「生存者ゼロ」という現象は発生しません。割合は低くても必ず生き残る人が出てきます。それなのになぜ生存者ゼロなのか、感染のタイミングが違うはずなのになぜ全員同じタイミングで一瞬にして死亡してしまうのか。
Ngt0062 ミステリーとしては面白いのですが、もう少し読みやすい文章を書いてほしい(笑)ただ作者はこの本以降に作品を発表していません。もう書く気はないのかな?
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